とあるケアマネジャーのたわごと🌈

これまでの経験を基にした介護に関する様々な情報、日々の業務を通して感じたことが主な内容です。大変な職業でありますが、長く仕事を続けられる参考に活用して頂ければ幸いです。

亡くなった方の尊厳

利用者さんに単身者が多いと、お亡くなりになった後の対応を年に何度も行うことになります。葬儀の手配、役所や疎遠になった親族への連絡、通夜、葬儀への参列、各種契約の解約、アパートの整理など、本来はケアマネジャーの業務ではないのでしょうが「せざるを得ない」という現実がありますし、関わりを持たせて頂いた以上は最後まできっちりとしたいという思いがあります。

 

いつもお世話になっている方から「死者の尊厳を保つことが大切」という言葉を聞きました。身寄りの無い多くの単身者が、事務的に葬儀を終えるだけで弔われることに疑問を感じて出た言葉なのだと思います。

10年ほど前、NHKのドキュメントに『無縁社会』というものがありました。その中で日本において32,000人もの方が、身寄りが無く誰からも見送られずに弔われているとされていました。10年前でこの人数です。高齢化の進展、単身者の増加という現状を考慮すると、10年後の今はもっと多くの人数になっている可能性があります。

私がヘルパーをしていた数年前、、、参列した葬儀にはお坊さんと私だけということが何度もありました。
遺影も戒名も供花も無く、ただ棺だけが置かれているだけの葬儀です。
当然ながら、その光景には違和感しかありませんでした。しかし、親族が居ない単身高齢者にとっては仕方ないことで、これが現実と受け入れざるを得なかったのです。

 

介護保険制度では、入院中や亡くなった後の対応は保険給付の対象とはなりません。ケアマネジャーの皆さん、無償で時間と労力を使って対応しているのだと思います。
前述のように私自身、入院中やお亡くなりになった後の対応にかなりの時間を費やすことがありますし、状態が悪くなってきたら事前準備をします。

先日、状態が深刻な方の件で、もしこの方が亡くなったら葬儀はどうしようかと頭の中で考えていました。いつものケースなら生活保護の方が大半なので、役所からの葬祭扶助で執り行なわれるのですが、今回の場合は年金を受給されています。しかし、貯金があまり無く、日用品の購入さえも控えている状況です。

確か以前から葬祭費を積み立てしていたはず!と、期待を胸に電話で確認。しかし、積み立て金がまだまだ少なく、到底葬祭費には及ばない事実が発覚しました。
お子様も生活保護を受給し、生活に余裕が無いとお聞きしていたし、、、
このような事情を踏まえ、いつもお世話になっている葬儀屋さんに聞いてみることにしました。
すると、喪主となり得る方が生活に困窮しており、葬祭費の支払いができない場合には葬祭扶助の申請ができるはずという回答。
役所のケースワーカーにも確認し、その際にはそうゆう対応になるということでした。
これで最期に関してはひと安心になりました。

現在、おかげさまで状態は安定していますが、慌ただしい最期ではなくより良い弔いができるように万が一の時の備えは必要です。その為には様々な知識も持っておかないといけないと感じさせられました。

 

今後、私たちが支援しなければならないことは、もっと幅広くなるでしょうし、10年前と比べてもそうなっていると思います。そう言えば、昨年は死後事務委任契約をする為に弁護士事務所や公証人役場へも行ったなぁ。

もっと社会資源の知識を身に付けないと、、、何事も勉強です。