とあるケアマネジャーのたわごと🌈

これまでの経験を基にした介護に関する様々な情報、日々の業務を通して感じたことが主な内容です。大変な職業でありますが、長く仕事を続けられる参考に活用して頂ければ幸いです。

実地指導1〜特定事業所加算〜

この仕事をしていて一番嫌なこと、それは行政からの実地指導
この業界に15年ほど携わっており、過去4回ほど実地指導を経験しております。
直近では昨年でした。直前には書類チェックで帰れぬ日々を過ごした悪夢のような時間でした。
二度とこんなことにならないようにしよう!と、固く決意するのですが、日頃の業務に追われ、ついつい抜けやミスが出てしまいます。
これから実地指導を受けられる方、そして自分自身がそうならないよう、どんなことを指摘されたか簡単ではありますが改めてまとめさせて頂きます。


やはり、最も重点的に見られるのはここ。特に大きな点数に関わるもの。そう、特定事業所加算です。
一番ハードルの高い加算(Ⅰ)の要件と、注意すべき点を以下にまとめました。

特定事業所加算(I)】
① 常勤かつ専従の主任介護支援専門員を2名以上配置していること。
② 常勤かつ専従の介護支援専門員を3名以上配置していること。
③ 利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした会議を定期的に開催すること。
④ 24時間連絡体制を確保し、かつ、必要に応じて利用者等の相談に対応する体制を確保していること。
⑤ 算定日が属する月の利用者の総数のうち、要介護3~要介護5である者の割合が4割以上であること。
⑥ 介護支援専門員に対し、計画的に研修を実施していること。
地域包括支援センターから支援が困難な事例を紹介された場合においても、居宅介護支援を提供していること。
地域包括支援センター等が実施する事例検討会等に参加していること。
⑨ 運営基準減算又は特定事業所集中減算の適用を受けていないこと。
⑩ 介護支援専門員1人当たりの利用者の平均件数が40件以上でないこと。⑪ 介護支援専門員実務研修における実習等に協力又は協力体制を確保していること。  

 

【以下、各項目の解説】

①と②の人員基準については当然のことですね。期間が切れていないかの確認は証を確認されますので、当日にお忘れなきよう。

③会議について「定期的」という文言が気になるところです。明示されていませんが、最低でも一か月に一回は求められるでしょう。気を付けなければいけないのは「議題」「検討内容」「結論」「いつ」「どこで」「出席者」といった会議の記録として当然の内容が明記されていること、そして、出席できなかったスタッフへ回覧して内容を確認した証拠を残しておくことです。確認したら押印する、サインするなどです。

④ 24時間連絡体制、つまり電話連絡がつく体制が必要となり、そのことを文書において利用者さんに分かるように示しておかなければなりません。

⑤これは総人数に占める要介護3~5の方を算出しなければいけませんね。単純に割合を満たしているかどうか。請求ベースで見られるはずです。

⑥研修は結構厳しい項目ですね。「計画的」にということが重要です。つまり、全ケアマネジャーまとめて研修をするということでは、少し主旨が違います。この場合は、経験に応じて個々の研修計画を作成します。例えば1年計画でするならば到達目標を掲げましょう。そして、それを達成する為の研修を月に1回というかたちで行います。注意すべき点は、ケアマネ業務として基本的なことはダメです。例えばケアプランの作成方法について、というようなものなど。

⑦これに関してもきっちりと経過と記録を残しておかなければなりませんね。

⑧これも議事録や研修記録といった参加した証拠となるものが必要ですね。上記の議事録同様、いつ参加したか等の詳細が必要になると思います。

⑨モニタリング、支援経過記録、担当者会議録がないなど、しなければならない基本業務を怠っている、つまり運営基準減算となるものがアウトです。これが抜けていると丸一か月の加算分の返金となりますので、細かいチェックが必要です。中には記録があれば良いというだけではダメで、ちゃんと時系列に矛盾がないように気をつけなければなりません。例えば、プラン作成日より前に担当者会議が開催されている。支援経過の訪問日とモニタリング実施日が一致しているなど。

⑩定期的に利用者数のチェックが必要ですね。もちろんケアマネジャーが退職すれば受け持ち人数が変わることになります。

⑪実習の受け入れ実績があり、それを記録などで残しておく必要があるでしょうか。受け入れ体制に関してはケアマネ協会に確認した方が良いでしょうね。

 

という感じで、あくまでも概要であり、行政の指導内容によっては若干の差異があるかとは思いますが、少しでも参考になれば幸いです。

これは100パーセント確実なものではなく、あくまでも経験による参考情報ですので、ご留意下さい。