とあるケアマネジャーのたわごと🌈

これまでの経験を基にした介護に関する様々な情報、日々の業務を通して感じたことが主な内容です。大変な職業でありますが、長く仕事を続けられる参考に活用して頂ければ幸いです。

感情に左右されず冷静に

本日もいろいろなことがあり、そして学びも多かったです。

今回はあらためて大切と感じたことを書きます。そして、もう一度自分自身に言い聞かせておきたいと思っております。

それは、何かを言われた時に感情に左右されて情報を選別しないということです。

例えば自分の嫌いな人と、尊敬する人がいたとします。同じことを注意されたとして、やっぱり嫌いな人に言われると「腹立つ」という気持ちになってしまって聞き入れないんですよね。しかし、一方で尊敬する人に言われると、スッと落とし込むことができるんです。

今日、たまたまそのようなことがあって、それって良くないな、とあらためて思いました。誰に注意されても「自分に落ち度がなかったかな?」と、素直に省みないといけないですね。

これって利用者さんからの発言も同じように、感情が働いてしまうことがあります。「切実な訴え」と受け取るか「わがまま」と受け取るか、それが良い例だと思います。

人間である以上、感情が出るのは仕方がないこと。しかし、少し冷静になって考えないといけないですね。明日からこれを肝に銘じて出発したいと思います!

生きがいについて考える

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こんにちは!2月はあっという間に月末を迎え、またモニタリング、請求業務がやってきますね。体調崩さずに頑張りましょう!

この仕事をしていると、毎日いろんなことがありますね。利用者さんのことだけじゃなくスタッフのことも含めて。最近では、むしろ後者の方に皆さん頭を悩ませているかも知れませんね、、、

とにかく平穏な日というのがなかなかございません。荒れたオフロードを二駆のノーマルタイヤで日々走り続けております。

しかし、そんなことも10年以上続くと人間というものは良くも悪くも慣れてくるもので、まあ何が起こっても動じることは少なくなり、多少のトラブル程度はいつものルーティンワークと化してしまっているのです。

そんな日常を送っていると、たまに考えます。「仕事をしなくて良くなったら、自分の生きがいは何なのだろうか」と。

これと言った趣味は無いし、子どももあっという間に大きくなって相手してもらえなくなるだろうし、、、

ということで、今回は『生きがい』について考えてみました。

 

生きがいとは?

生きるはりあい。生きていてよかったと思えるようなこと。

広辞苑第四版)

広辞苑にはそのようにあり、まあ読んで字のごとくの意味でありますね。しかし、自分にとってそれが何かと考えた時、なかなか難しいように思うんですよね。

修士論文を執筆する時に単身高齢者の生きがいについて聞き取り調査をしました。インタビュー形式で単身高齢者10名に聞き取りをしたのですが、皆さん『楽しみ』は「ある」という一方で、『生きがい』が「ある」と答えたのは2名だけだったんです。

楽しみと生きがい、、、一体、何が違うのでしょうか?

生きがいについては多くの研究者による定義がされています。私がその中で最も共感できたものは神谷美恵子さんの著書『生きがいについて』にある以下の一文でした。

たとえば、現在の生活を暗たんとしたものに感じても、将来に明るい希望なり目標なりがあれば、それへむかって歩んで行く道程として現在に生きがいが感じられうる。(神谷美恵子 『生きがいについて』 1980)

個人的に、これが非常に大切なことだと感じたのです。ここに『楽しみ』との大きな違いがあるのだと思いました。

インタビューでは、散歩することやテレビを観ることなどが楽しみと答えて下さいました。しかし、その方々に生きがいの有無を尋ねると「無い」とのことだったのです。

私は生きがいとは何かしらの役割を担い、そして将来に目標を持つことだと考えております。

インタビューで答えにあった楽しみは、その場、その時で消化する活動であり、決して役割を持ちながら行っているものではありません。

一方、生きがいがあると答えた方は、ボランティアで外国人に勉強を教えていることや孫の成長を楽しみにしていることを生きがいと感じていたのです。

つまり、祖父という役割を持って孫の成長を楽しみにし、また、先生という役割において勉強を教えることで生徒の成長を楽しみにするという、その先の目標が存在するのです。

 

役割の必要性

人は意識せずとも役割を担っていると思います。家庭では父親であり息子であり、職場では上司であり部下であり。その他でも参加する団体での役割が存在するかも知れません。時には負担となることもあるのでしょうが、人は何かしらの役割を担うことで自分の存在価値を感じているのではないでしょうか。

これが特に単身高齢者となると、自分の役割を見出せない方も多くいらっしゃるんです。家庭での役割、そして社会での役割を喪失してしまっているのです。しかし、これは単身高齢者に限らず、家族がいて「おじいちゃん」と呼ばれてはいても、孫が大きくなると実際にその役割を果たしていないならば、役割を喪失していると言って良いのかも知れません。

 

まとめ

介護保険制度の下では、生きがいを創出するという支援はできない現状があると思います。しかし、本来、福祉という言葉が意味する『幸せ』を実現する為には、それを無視するわけにはいかないと考えております。その為に、例えば保育園に行って園児と触れ合う機会を設定するなどのイベントを企画しています。そうすることで、保育園に行くう先にある『目標』ができ、園児と触れることで束の間の『おじいちゃん』や『おばあちゃん』の役割を担うことができるのです。

皆さま、日頃の業務がお忙しいとは存じますが、利用者さんの生きがいって何なのだろうかと、少し考える時間をとってみてはいかがでしょうか?

面接対策!採用担当者から見る面接時の注意点

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春は出会いと別れの季節。これから新しい職場で働く方もいれば、職場を去る方もいることかと思います。

さて、福祉業界では依然として人手不足が深刻で、新しい人材を確保する為に常に求人が出ているのが現状です。

しかし、だからといってどんな人材でも構わないという訳ではありません。面接担当者は、面接時にしっかりと求職者をチェックしています。

最近の傾向として、求人を出している施設や事業所の件数が多いからか、面接に来る求職者の面接に臨む姿勢に疑問を抱くことがあります。(「ここがダメでも次がある」という余裕でしょうか?)

面接をする側として、いくつかの良くない例と改善点を挙げてみますので、今後のご参考にして頂けたら幸いです。

 

 

服装

そもそも、服装のことを一番最初に挙げるのもどうかと思いますが、最近なぜか私服で面接にやって来る人が多い!ひどい時にはジャージにサンダル姿。介護の仕事=動きやすい服装というのは分かりますが、面接となれば話は別。一般企業の面接と同様、スーツ着用を心掛けましょう。見た目の第一印象は大切です。いくら人柄が良くても、話の中身がしっかりしていてもジャージで面接に来た時点でアウト!かも知れません。

 

志望動機

面接において、ほぼ間違いなく質問されると思います。ここで仕事に対する姿勢を評価しますので、ポジティブで好印象を与える答えを考えておきましょう。

  1. 「土日勤務が無いので御社を志望致しました」
  2. 「家から近いので御社を志望致しました」

もちろん、皆さんそれぞれの事情があり、条件に見合った勤務先を探しているのは百も承知です。よって、例に挙げた理由はよく分かります。しかし、企業側にあまり良い印象を与えません。

どうすれば良いか?表現に少し工夫をしたら好印象となります。

  1. 「介護の仕事に就きたいが、家の事情で土日勤務はできません。そのような中、平日のみの勤務である御社の求人を拝見し、ここなら好きな介護の仕事を続けられると思い志望致しました」
  2. 「仕事をする上で、通勤の負担を軽減して業務に専念したいと考え御社を志望致しました」

フレーミングというものがあります。その意味は以下の通りです。

ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指す。(ウィキペディア)

つまり、見方や視点を変えることで、同じ事実をプラスにでもマイナスにでも置き換えることができるのです。

上記のものはあくまでも一例であり、家庭の事情等により異なるかも知れませんが、いずれにせよ聞く側がポジティブな印象を持てるようにしましょう。

 

退職理由

よく前に勤めていた会社の不満や文句を言う人がいます。ひどいケースでは内情をベラベラと。自分が悪いのではなく、会社が悪かったんだという思いがそうさせるのでしょうが、言い過ぎることは悪印象を与えます。きっと、採用をしても不満を口にして退職し、同じように悪評を言って回るのだと思うからです。前の会社に色々なことがあったとしても言い過ぎは控えましょう。この業界は横の繋がりも結構ありますので。

また、自分の考えと会社の方針が合わなかったというのも働いていた期間や経験年数、保有している資格によっては良い印象を与えません。国家資格を持っていて、経験年数がそこそこあり、また働いていた期間も長いのならば良いですが、短期間で職を転々としている経験が浅い人の場合は、ただのわがままと捉えられかねません。

 

まとめ

色々な例を挙げましたが、結局、求められる人材は保有資格や経験よりも、

  • 色んなことを幅広くできる
  • 協調性がある
  • 向上心がある
  • この業種、この事業形態を志望する明確な動機がある
  • 接遇マナーができている

ということなどが大切だと思います。

個人的な意見も含まれていますが、採用する側の方々にとっては共感して頂けるのではないでしょうか?

洞察力と観察力を身に付ける方法

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来週から少し暖かくなるみたいですね!梅の花が咲いているのを見かけたり、寒いですが、春の訪れを実感する時期となりました。

こんな感じで、季節の移ろいをしみじみと感じていると、、、

 

梅の花なんか咲いてる?」

 

毎日、同じ道を通る人にこう返されました。

「ほら、角の○○さんの庭にあるでしょ?」

「ホント?気付かなかった。帰りに見てみるわ」

 

なるほど、これって観察力の違いだな、と少し優越感に浸ってしまいました。

介護の仕事では本当に大事なんですよね、観察力って。そして、洞察力も。どんなに優れた知識や技術を持っていても、これが無いと駄目だと思っています。なぜなら、知識や技術を活かす機会を逃してしまうからです。

今回は両者の必要性と、それを身に付ける方法について書かせて頂きます。

 

 

観察力とは

物事の状態や変化を客観的に注意深く見ること。(goo辞書より)

利用者さんの体調だけではなく、環境の変化にも気付きを持つことができるかどうか。これらは観察力によるものだと思います。

利用者さんの変化にいち早く気付きを持つことができるのは、様々な専門職の中でも介護士さんだと思います。日々のコミュニケーション、入浴や更衣など直接身体に触れる介助を行う機会が多いからです。

例えば、入浴時に表皮剥離や発赤を見つける、会話の中でいつもと様子が異なる発言に気付くなどがそれです。

 洞察力とは

物事を観察して、その本質や、奥底にあるものを見抜くこと。見通すこと。(goo辞書より)

つまり、観察力との違いは物事をより深く観察し、そこから気付きや発見を持つことだと思います。

観察力で示した例に当てはめるならば、表皮剥離を発見した次に、

  • 栄養状態が悪化しているのでは?
  • マットレスが硬いのでは?
  • 寝返りできなくなった変化が生じているのでは?

といった発想に繋がるかどうか。

いつもと様子が異なる発言に気付いたならば、

  • 精神的に嫌なことがあったのでは?
  • 体調に異変があるのかも?

というような考えに結び付くことだと思います。それが洞察力と言えます。

 観察力と洞察力を身に付ける為に

まず、観察力を身に付ける為に必要なこととして、基本として大切なことは日頃から「観察する意識」を持つことです。何か変化は無いかという、見よう、知ろうとする意識を働かせることが大切です。それが無いことには何も始まりません。環境に変化は無いか、会話の中でいつもと違う点は無いか、体調に異変は無いかなど、常にアンテナを張るように意識してみましょう。

その為には、常日頃の状態把握に努めましょう。いつもの状態を把握しておかなければ、変化があっても気付くことはできません。

 

次に洞察力について。観察力を養ったら洞察力を身に付けましょう。こちらの方が難しいです。なぜかと言うと、経験や知識が必要となるからです。観察によって得た情報から推測されることに結び付けるのは、経験や知識が無いとできないからです。勉強も大切ですが、日頃から様々な情報に目を向けることや、他の人がする対応を吸収する意識を持っておけばそれほど大変な労力ではありません。ただ経験年数が長いだけの人と、そこに知識が伴っている人の違いはそこにあるのだと思います。

 まとめ

いかがだったでしょうか?

観察力、そして洞察力を身に付けることで、利用者さんへの良い支援に繋がり、さらには自分自身のスキルアップとなることを理解して頂けたでしょうか。

観察力があれば異常や異変に気が付くことができますし、洞察力があればその原因を追究して的確な対応ができるのです。

些細なことでも構いません。まずは「意識する」ということを日頃の生活の中から始めてみましょう!明日から意識を変えてみれば、春の訪れを知らせる変化に気が付くかも知れませんね!

 

 

 

医療と介護の連携がうまくいかない理由

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こんにちは。TAMAKIです。

今回はダラダラと思うことを書かせて頂きます。お付き合いのほどよろしくお願いします。何を書くかと言うと、タイトルにあることそのものについて。

ケアマネジャーとして働いていると、よく研修に出席することがあります。また、時々初任者研修の講師をさせて頂くことがあるのですが、いずれの場においても「多職種連携」や「医療との連携」を何度も何度も叩き込まれます。

当然、疾患を持った利用者さんを支援する上で、医療と介護との連携は必要不可欠ですが、現場ではうまくいってないことやトラブルが多い!

これって、何年も前からずっと言い続けられていますが、いつになったら言われなくても連携を図ることが自然な行為として実践できるようになるのでしょうか。

※看護師さん、怒らないでください!今回はケアマネジャーの立場から連携を妨げる悪しき看護師さんについて言及させて頂きます!これは現場で見られる、組織の中で連携を図りにくい看護師さんの一例です。

 

 

医療分野と介護分野を完全に切って考えている

「それはヘルパーの仕事」という台詞を武器に、利用者さん宅の環境整備などには全く無関心な看護師が多くいらっしゃいます。ナイチンゲールヘンダーソンもそんなことは教えてないと思うのですよね。いくら日々のバイタルチェックを行なっても、どんなに良い薬を飲んでいたとしても、消費期限が遥かに切れた物を食べてしまえば健康状態は悪化するし、清潔に過ごしていなかったら皮膚のトラブルを招くでしょう。そういうところの観察に乏しい人が多いんですよね。いや、観察をしていないのですね。なぜなら「それはヘルパーの仕事」と思っているから。

 

組織の中で働くという認識が乏しい

例えば売り上げ等に対する意識が乏しい。これは病院経験が長い人ほど言えることだと感じます。待っていれば患者は来るし、嫌と思えば違う所へ行けば良いというような考えが染みついているので、利用者さんからクレームなどあろうものなら、まるでクレームを言う利用者さんに非があるかのように文句を言うのです。そうではないんだよね。営利法人ならば利益を維持しないとやっていけないんです。しかし、悲しいかな看護師も人手不足で、どこでも転職先はそれなりの待遇で見つかるのです。

「嫌になったらやめれば良いや」

そんな感覚の人が多いですよ、ホントに。

 

看護師免許に対する強いプライド、そもそもが介護職を見下している

専門分野が違うから当たり前なんですが「そんなことも分からないの」的な感じで、医療分野について知識が乏しい我々を馬鹿にすることがあるのです。しかし、自分たちは介護保険など保険制度に関しては無知なのです。お互いに専門分野以外の知識不足はあります。そこはお互いが歩み寄り、足りないところを補い合ってやっていかなければいけないと思うんですよね。

 

接遇マナーがなっていない

よく病棟看護師と電話連絡を取ったり、直接会って話をすることがあるのですが、まあ言葉が悪い、電話応対がめちゃくちゃということが頻繁にあります。これは学校のカリキュラムでもっと重点的にすべきことだと思うんですよね。看護学校の先生に聞いたら、覚えることがありすぎて、なかなかそこに時間を費やしてやってられないカリキュラムとのこと。連携を図る上で、そういうところって大事だし、そもそも患者さんへの対応を見ていても「??」て思うことがあります。

 

まとめ

我々、介護の専門職は、医療との連携を何年間も幾度となく言われ続けています。しかし、それを実現できない背景には、いくつかの原因があり、その改善策の一つに医療職の歩み寄りが必要なのではないでしょうか。

そこが無い限り絶対に実現しない理想論ですよ、これ。あえて、今回は辛口で言わせて頂きました。「ちゃんと連携図れてるわ!」という方々に対してはすみません。

 

 

 

 

単身高齢者が自宅で最期を迎える為に必要なこと

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はじめに

最期をどこで迎えるかー

住み慣れた自宅で最期まで過ごしたいと願う方は多いですが、現在の日本では病院で亡くなる方が大多数を占めているのが現状です。*1

現在の日本社会では単身者の数が増加しており、これから生涯未婚で過ごす人々の増加により、その数はますます増えていくことが予想されています。

 

単身者が自宅で最期まで過ごすことができるの?

 

そう思っている人は結構多くて、私の話を聞いてよく驚かれることがあります。

もちろん可能ですし、ご本人の意向を最優先するので、それを達成できるように支援させて頂きます。しかし、ケアマネジャーとして色々な事前準備や先のことを想定しながら支援を進めていかなければならないので、簡単なことではありません。

これまで、数十人の単身者の方が自宅で最期を迎える支援をさせて頂きました。

今回はその経験から、単身者が自宅で最期を迎える上で、ここだけはしっかりと押さえておいた方が良いと思う項目をまとめさせて頂きました。

本人の意思確認

これは言うまでもありません。ただし、キューブラーロスの死の受容過程にもあるように、心理状態は段階に応じて変化していく為、定期的な確認は必要だと思います。当初は病院での最期を希望していた方が、最終的には自宅を望むようなケースはよくあります。いずれにせよ、意向を受けて希望を実現する為のプロセスがイメージでき、介護保険サービスなど各種社会資源と結び付けることができるかどうかがキーポイントになります。利用者さんが安心して過ごすことができるかどうか、ケアマネジャーの持つ知識やスキルは非常に大きく関わってきます。

在宅医

自宅で最期を迎えるにあたり、訪問診療をしてくれる在宅医の存在は不可欠です。状態の悪化に適時対応ができることも重要な要因ですが、亡くなった際に死亡診断書を書いてもらうという必要があるからです。例えば総合病院しか通っていない方が亡くなった場合、わざわざ医師が自宅に赴き、死亡診断をしてくれるケースは稀です。また、急変時に往診してくれることも私の経験上ではありません。もちろん入院先で亡くなった場合は病院の医師が死亡診断書を記載してくれます。

在宅医がいない場合に自宅で亡くなった場合は警察が介入し、検察官による検視、監察医などによる検案が行われて死体検案書を書いてもらうことになります。

私の経験で、自宅で単身高齢者が亡くなった際には事件性の有無について調べる為に警察から色々と聞き取りがあり、葬儀に至るまでにかなりの時間を要したこともありました。

24時間連絡が取れる在宅医がいれば、自宅で息を引き取っても死亡確認、死亡診断書の交付という流れがスムーズであり、滞りなく葬儀を執り行うことができるのです。

訪問看護

日頃の状態観察を行い、主治医との連携を図る役割を担うのが訪問看護です。医師の指示のもとで在宅での療養生活を支え、必要に応じて点滴や褥瘡の処置など重度の方にも手厚く対応してくれます。末期がんの方や急性増悪時*2特別訪問看護指示が出た場合は介護保険ではなく、医療保険からのサービス提供となるので、点数を圧迫することも避けられます。

状態が重症化してくると、必ず何かしらの医療行為が発生しますので医師との連携を図りながら支援をしていくために必要なサービスとなります。

家主、管理会社

最近の調査で、家主の約60パーセントが高齢者世帯に対して部屋を貸すことに拒否感があるという結果だったそうです。*3

その背景には「孤独死」や「孤立死」といった言葉が世間一般に知られるようになったことが存在しているのではないかと考えられます。

室内で死なれてしまったら困る、、、

参考までに『事故物件』という言葉をチェックしておきましょう。

以前の居住者が、居室や共有部分において何かしらの原因で亡くなったものをそう定義するようです。死因を大きく分類すると『殺人』『自殺』『自然死』の3つとなりますが、3番目の自然死においては基準は曖昧です。自宅で療養生活を送り、家族に看取られて亡くなるケース。一方、独居の方が病気で亡くなり数日後に発見されるようないわゆる『孤立死』のケース。どちらも『自然死』であることには違いありませんが、印象は大きく異なるはずです。しかし、そもそも孤立死の定義自体も曖昧でリンクにあるような説明となっています。

事故物件は心理的瑕疵物件』に該当し、貸主には告知義務があります。瑕疵とは欠点や欠陥を意味し、つまり心理的に抵抗感を抱くような理由が存在する物件と捉えれば良いのではないでしょうか。例えば、以前に火事や事件、殺人があったり、近所に暴力団事務所や火葬場や刑務所があるといったことが該当します。

自然死がこれにあたるかどうか。結局のところ、第三者の受ける印象によって大きく左右されるように思います。仕事数週間経過した孤立死と言われるような最期ならば、事故物件→心理的瑕疵物件に該当するでしょうが、手厚いケアのもとで迎えた最期ならばそうではないはず。

しかし、このように曖昧な定義において、賃貸物件で人が亡くなることを良く思わない家主さんは多くいます。亡くなった時に警察が来て慌ただしくしていると、近隣住民の方にも迷惑をかけたり不安を感じさせてしまいます。

私が関わったか家主さんでも「死ぬなら病院で頼みます」と平気で言うような方もいらっしゃいました。私は後々のトラブルを避ける為、家主さんや管理会社には状態を伝えて、適切なケアを提供することを説明するようにしております。また、亡くなった後に遺留品の処分を行うのは、身内がいない場合は家主が行うこととなる為、そのリスクを回避できるように準備もしておくようにしています。

葬儀

これから単身高齢者はますます増えていきます。私はケアマネジャーとして担当している利用者さんが亡くなった場合には、必要に応じて葬儀の手配を行い、しっかりと最期のお見送りをさせて頂きます。

どこの葬儀屋さんが良いのか、信仰は何か、誰に連絡すれば良いかなど。別れの段階で慌ただしくならないよう、事前準備を進めておく必要があります。

葬儀に充てる費用がどの程度あるか、もし無ければどうするのか。身寄りのない単身者が自宅で亡くなった場合、前述の通り主治医が死亡診断をしてくれますが、当然、葬儀会社の手配まではしてくれません。そこから「どこに連絡したら良いの?」「予算いくらかな?」と、あたふたしている場合ではないのです。

葬儀代の積み立てをしている方もいるでしょう。生活保護の方なら葬祭扶助を申請します。年金受給者で葬儀代を支払うお金が無い場合も、葬祭扶助を申請することができます。金銭面等の事前確認、シュミレーションをしておきましょう。

遺影に使う写真を確認しておくことも大切です。

まとめ

これ以外にも色々と大変なことはあるかと思います。しかし、利用者さんが望むように自宅で最期を迎える為の支援をやり遂げた時の達成感は非常に大きいです。

その為には専門職同士の連携だけではなく、上記に示したような方々との連携と信頼関係の構築をしっかりとする必要があるのだと思います。それさえできれば、安心して支援を行なうことが可能となるのです。

 

 

第三者にわかりやすい文章

 

 

連休最終日ですね。この連休は特に寒さが厳しかったように思います。春が待ち遠しい今日この頃です。

さて、今回は介護職現場での文章について考えてみました。

 

介護現場での文章について思うこと

私が主に目にする文章というのは介護記録です。私が勤める居宅介護支援事業所は、同法人内に訪問介護訪問看護事業所が併設されている為、時々記録内容を確認することがあります。特に状態の悪い方に関して、主治医へ報告する際、情報収集を目的として読むことがあります。しかし、第三者の立場からその利用者さんの状態を知ろうとする視点で読むと、なかなか把握しづらい内容であることが多いのです。

 

文章をしっかりと書けない背景

その理由の一つに、ゆっくりと文章を推敲しながら書く時間が無いことが挙げられると思います。介護職の離職原因には事務作業を含む業務の繁雑さがあります。厚労省は書類の削減を推進するという動きを見せていますが、昨年の改正では特に現場への影響は見られないものでした。ケアマネジャーをしていて、この書類は本当に必要なのか?と思うことが多々ありますし、そもそも書類作成に追われて利用者さん宅への訪問時間を削ることとなれば本末転倒な話です。

また、紙媒体が多いことも作業を煩わしくさせている大きな原因だと思います。

書類作成➡印刷➡送付状作成➡封筒へ入れる➡投函

ではなく、

書類作成➡メール送信

という形にしてしまえば、どれほど時間とお金のコストを削減できることでしょう。

ただ、以下のリンクにもあるように電子化の効率化と、逆に生まれるリスクがあることを考えると悩ましいですね。

www.minnanokaigo.com

少し話が脱線しましたが、記録を丁寧に書く時間がないことは事実として存在することは間違いありません。最近はタブレット端末を導入するなど、作業の効率化を図るなど改善されてきている点もあるのでしょうが、それでも報告書やその他の文書を見ていると「??」と思うことがあるのです。

 

改善のポイント

誰かが見ているという意識

結局のところ、時間も大切ですが文章能力を向上させる必要はあると思います。よく目にする悪い例を挙げます。

  1. 夕食を半分ほど摂取。
  2. かなり痛がっていた。
  3. 風邪気味とのこと。

他にも多くありますが、例えばこのようなものがあります。これらを第三者の立場で読むと、状況が把握できないのです。

  1. 夕食は主、副食ともに半分ほど摂取。約500キロカロリー
  2. 痛みが強い様子。座っている時は我慢できるが歩行困難。赤み、腫れ、熱感あり。
  3. 体温36.7 鼻汁、咳あり。喉の痛みもある様子。

長々と書く必要はありません。しかし、第三者に情報が的確に伝わることをイメージして書けば良いのだと思います。抽象的、あいまいな表現は避け、全員に共通な言語を使うようにすれば良いのです。

 

核となるポイントをおさえる

文章を簡潔にまとめる為には、情報を取捨選択しなければなりません。その為には絶対に必要なことを把握し、そこを中心として書けば良いのだと思います。

よく、状態確認の為に時系列で介護記録を追うことがあります。例えば、風邪を引いていた利用者さん。風邪を発症した当日などは、そのことが記載されているのですが、しばらくすると何事も無かったかのように、風邪症状について触れられていなくなっています。せめて数日間は風邪に関する観察(体温、咳などの症状、食欲、睡眠、倦怠感など)、そして記録することが必要です。

 

5W1Hを意識する

昔から言われるように、やはりビジネス文書では5W1Hを意識することが大切です。これは介護記録をはじめ、報告書などでも活用できる基本的なことだと思います。

5W1H

・when「いつ」
・who「誰」

・where「どこ」
・what「何を」
・why「なぜ」
・how「どのように」 

 

2019.2.1

〇〇クリニックへAさんの通院同行。

主治医の△△Dr.より前回の採血結果について説明を受ける。

肝臓の数値が悪化しており、一度検査をした方が良いと指示あり。

2月10日に□□病院へ予約を入れて頂き、検査目的で通院する運びとなる。

体力的負担を考慮し当日は介護タクシーを手配してもらうよう、CMへ連絡する。

 

参考に書いてみた文章ですが、この内容には以下のように5W1Hが含まれています。

5W1H

・when「いつ」:2月1日、2月10日
・who「誰」:Aさん
・where「どこ」:〇〇クリニック、□□病院
・what「何を」:検査
・why「なぜ」:肝臓の数値が悪化しているため
・how「どのように」介護タクシー

 ここを意識して書くと、簡潔且つ情報が伝わりやすいのが分かりますよね。

 

まとめ

介護の仕事には第三者が見てわかりやすい文章を書く能力が求められると思います。それは以下の点において必要だからです。

  1. 利用者さんの状態を把握する
  2. 保険請求の根拠
  3. 事故などがあった場合の確認

 

特別な文章能力はいらないと思いますが、要点をまとめて第三者に分かりやすい文章を心掛けましょう!

何事もイメージ、意識することが第一歩だと思います。