第三者にわかりやすい文章
連休最終日ですね。この連休は特に寒さが厳しかったように思います。春が待ち遠しい今日この頃です。
さて、今回は介護職現場での文章について考えてみました。
介護現場での文章について思うこと
私が主に目にする文章というのは介護記録です。私が勤める居宅介護支援事業所は、同法人内に訪問介護、訪問看護事業所が併設されている為、時々記録内容を確認することがあります。特に状態の悪い方に関して、主治医へ報告する際、情報収集を目的として読むことがあります。しかし、第三者の立場からその利用者さんの状態を知ろうとする視点で読むと、なかなか把握しづらい内容であることが多いのです。
文章をしっかりと書けない背景
その理由の一つに、ゆっくりと文章を推敲しながら書く時間が無いことが挙げられると思います。介護職の離職原因には事務作業を含む業務の繁雑さがあります。厚労省は書類の削減を推進するという動きを見せていますが、昨年の改正では特に現場への影響は見られないものでした。ケアマネジャーをしていて、この書類は本当に必要なのか?と思うことが多々ありますし、そもそも書類作成に追われて利用者さん宅への訪問時間を削ることとなれば本末転倒な話です。
また、紙媒体が多いことも作業を煩わしくさせている大きな原因だと思います。
書類作成➡印刷➡送付状作成➡封筒へ入れる➡投函
ではなく、
書類作成➡メール送信
という形にしてしまえば、どれほど時間とお金のコストを削減できることでしょう。
ただ、以下のリンクにもあるように電子化の効率化と、逆に生まれるリスクがあることを考えると悩ましいですね。
少し話が脱線しましたが、記録を丁寧に書く時間がないことは事実として存在することは間違いありません。最近はタブレット端末を導入するなど、作業の効率化を図るなど改善されてきている点もあるのでしょうが、それでも報告書やその他の文書を見ていると「??」と思うことがあるのです。
改善のポイント
誰かが見ているという意識
結局のところ、時間も大切ですが文章能力を向上させる必要はあると思います。よく目にする悪い例を挙げます。
- 夕食を半分ほど摂取。
- かなり痛がっていた。
- 風邪気味とのこと。
他にも多くありますが、例えばこのようなものがあります。これらを第三者の立場で読むと、状況が把握できないのです。
- 夕食は主、副食ともに半分ほど摂取。約500キロカロリー
- 痛みが強い様子。座っている時は我慢できるが歩行困難。赤み、腫れ、熱感あり。
- 体温36.7 鼻汁、咳あり。喉の痛みもある様子。
長々と書く必要はありません。しかし、第三者に情報が的確に伝わることをイメージして書けば良いのだと思います。抽象的、あいまいな表現は避け、全員に共通な言語を使うようにすれば良いのです。
核となるポイントをおさえる
文章を簡潔にまとめる為には、情報を取捨選択しなければなりません。その為には絶対に必要なことを把握し、そこを中心として書けば良いのだと思います。
よく、状態確認の為に時系列で介護記録を追うことがあります。例えば、風邪を引いていた利用者さん。風邪を発症した当日などは、そのことが記載されているのですが、しばらくすると何事も無かったかのように、風邪症状について触れられていなくなっています。せめて数日間は風邪に関する観察(体温、咳などの症状、食欲、睡眠、倦怠感など)、そして記録することが必要です。
5W1Hを意識する
昔から言われるように、やはりビジネス文書では5W1Hを意識することが大切です。これは介護記録をはじめ、報告書などでも活用できる基本的なことだと思います。
【5W1H】
・when「いつ」
・who「誰」
・where「どこ」
・what「何を」
・why「なぜ」
・how「どのように」
2019.2.1
〇〇クリニックへAさんの通院同行。
主治医の△△Dr.より前回の採血結果について説明を受ける。
肝臓の数値が悪化しており、一度検査をした方が良いと指示あり。
2月10日に□□病院へ予約を入れて頂き、検査目的で通院する運びとなる。
体力的負担を考慮し当日は介護タクシーを手配してもらうよう、CMへ連絡する。
参考に書いてみた文章ですが、この内容には以下のように5W1Hが含まれています。
【5W1H】
・when「いつ」:2月1日、2月10日
・who「誰」:Aさん
・where「どこ」:〇〇クリニック、□□病院
・what「何を」:検査
・why「なぜ」:肝臓の数値が悪化しているため
・how「どのように」 :介護タクシー
ここを意識して書くと、簡潔且つ情報が伝わりやすいのが分かりますよね。
まとめ
介護の仕事には第三者が見てわかりやすい文章を書く能力が求められると思います。それは以下の点において必要だからです。
- 利用者さんの状態を把握する
- 保険請求の根拠
- 事故などがあった場合の確認
特別な文章能力はいらないと思いますが、要点をまとめて第三者に分かりやすい文章を心掛けましょう!
何事もイメージ、意識することが第一歩だと思います。