とあるケアマネジャーのたわごと🌈

これまでの経験を基にした介護に関する様々な情報、日々の業務を通して感じたことが主な内容です。大変な職業でありますが、長く仕事を続けられる参考に活用して頂ければ幸いです。

海外の福祉〜スタディーツアー@スウェーデン〜

福祉関係の仕事をしていると、海外の福祉事情について気になることがあります。現在は多くの文献やインターネットから簡単に情報を収集することができますが、やはり百聞は一見にしかず。これまでにスウェーデン、オーストラリア、ハワイへのスタディーツアーに参加しました。そのツアーの感想や学びについて、少しご紹介させて頂きます。

 

※制度のこととか、深く掘り下げてではなく、あくまでも一個人の感想レベルということをご了承下さい!

 

スウェーデンへのスタディーツアーへ参加したのが7年ほど前でした。

約2週間の期間でしたが、初めて海外の福祉事情に触れた経験から得たものは大きかったです。(今になって思うと、もう少し問題意識をしっかり持って臨みたかった、、、)

書物やインターネットで見聞きする情報数は非常に多いですが、限られています。実際その場にいると文字や写真からは知り得ない「雰囲気」や「匂い」や「表情」など、五感を活かした情報を得ることができますし、自分の関心ある点についてしっかり観察することができます。

私がそのツアーから得たもの・・・

それは、本人の意思を尊重する大切さです。まあ、日本でもこれはよく言われることですが、まだまだ足りていないように思うのです。

そう感じた理由をいくつか紹介致します。

 

『全てはその人の人生』

研修で伺った施設の担当者がおっしゃった言葉。基本的にベッド柵は取り付けない。「落ちてケガをする心配は?」という日本人からの質問に対し「ケガをしても全てはその人の人生。ベッド柵をつけることが間違い」だと。これは柵が一本も設置されていないベッドに対しての違和感でしたが、そもそも柵の無いベッドが通常であり『高齢者が使うベッド=介護ベッド=柵がある』という私たちの固定概念なのかもしれません。とは言え、どうしても必要な場合は、主治医の意見を基に決められるそうです。

 

『延命について』

スウェーデンにおける胃ろうの実施状況は?」と質問しました。すると「胃ろうって何?」という感じのリアクションが返ってきまして、一般的に胃ろうはしないということでした。よく、スウェーデンや北欧には寝たきり老人がいないと言われますが、この答えに「なるほど」と納得致しました。胃ろうが悪いとは言えませんが、延命に対する考え方が根本的に違うのだと感じました。これには、日本のように家族が望む延命の違いが関係しているのかもしれませんね。

 

『個人の価値観』

スウェーデンでは、子が成人すれば親のことにあまり口を出さないということでした。「子には子の人生があり、親には親の人生がある」という説明を受けました。国の社会保障がしっかりしているので、家族も安心して任せられるという要因もあるかもしれませんが、日本ではそうはいかないですよね。時にはご家族の意見のみが尊重され、本人の意見は通らないことが多々あります。最初の項目に関連したことならば、施設で事故がありケガをするようなことがあれば家族からの訴訟問題にも繋がります。

「本人の意思を尊重する」としながらも、どこかでご家族の意見を優先している時もありますよね、、、

制度や価値観、文化、宗教など色々な違いはあるので、何が正しいかとは一概には言えません。しかし、これから単身者がますます増加していく社会において、個人の意思を尊重する為の対応についてはよく考えていきたいですね。

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