とあるケアマネジャーのたわごと🌈

これまでの経験を基にした介護に関する様々な情報、日々の業務を通して感じたことが主な内容です。大変な職業でありますが、長く仕事を続けられる参考に活用して頂ければ幸いです。

在宅酸素療法での旅行

寒さが落ち着き、各地から桜の便りが届き始めてますね。これから春を迎え、いよいよ行楽シーズンに突入します。この冬は寒さが厳しかったので、うららかな春の気候を感じて、外出するのを心待ちにしている方は多いのではないでしょうか?もちろん、私もその一人です。

 

そんな時、父親から電話がありました。最近、医師の指示で在宅酸素療法を開始したとのこと。詳細は分からないのですが、長年の喫煙習慣から恐らく肺気腫(COPD)に起因するものかと想像します。その中で「もう遠くへ出かけられへんようになった、、、」という発言が聞かれました。体力的なこと、酸素ボンベを持っている見た目など、いくつかの理由がその発言を招いたのでしょうが、最大の理由は『遠出すると携帯ボンベがもたない』というもの。その方の流量によって異なりますが、確かに一本のボンベを持って出かけても数時間。泊まりだからと、何本も持って出掛ける訳にはいきませんわね。

 

じゃあ、酸素療法をしてたら家の近くしか出掛けられないの?

 

と、思う方もいるのではないでしょうか?実際、酸素療法をしている多くは高齢者で、そう思って旅行を諦めている方もいるのではないかと感じました。

これまで私が関わった利用者さんで、在宅酸素療法を受けている方は多くいらっしゃいましたが、遠くへ旅行に行くからどうすれば良いか?というような相談を受けたことはありませんでしたが、全国にはこのような思いを抱いてる方は沢山いらっしゃるのではないでしょうか?

 

結論から申しますと、在宅酸素療法を受けていても旅行は可能です。(あくまでも主治医との相談、許可を得た上で!)

 

ボンベのことや酸素供給装置といった、物理的なことに関しては問題ありません。帝人フクダ電子星医療酸器といった大手についてホームページを確認したり、直接問い合わせてみましたが、全国各地の事業所から宿泊先へ酸素供給装置を届けてくれることで対応されるそうです。なので、手配が必要となる為、主治医の許可を得て早めの申し込みが必要となります。(だいたい2週間前までとしているので、余裕を持って1ヶ月くらい前から準備した方が良いかと)

 

ただし、公共交通機関を使う際には携帯ボンベを持ち込む本数に制限があることは理解しておかなければいけません。詳しくは以下リンクを参照頂ければ良いのですが、基本的に鉄道、地下鉄、バスなどは2本までと制限されているようです。長距離移動を伴う航空機や船舶では事前の許可が必要となります。

つまり、宿泊の場合ならば酸素供給装置の設置と併せて、ボンベの貸し出し、空になったボンベの引き取りを依頼しておく必要もあるでしょう。

 

また、旅行先で体調が悪くなった場合を想定して、主治医からの紹介状を頂いておくこと、旅先の近隣に呼吸器系の診療科目を掲げている病院があるかどうかなどを調べておくことも万が一の時の為に必要だと思います。

楽しい旅行を満喫する為、備えあれば憂いなし!です。

【公共輸送機関内における 医療用酸素吸入について】

http://www2.jimga.or.jp/dl/iryo/all/top/kokyoyusokikan_20121024.pdf